プロジェクト　2

​空、緑を室内にとりこむ大きな窓

南、西、北の3隣地は設計時には更地だった。 それら隣地に法規内の最大ボリュームが建つことを想定して設計を進めた。建物が建たないであろう方向に窓をとり遠くに視線が抜けるようにした。 2階のリビングは、階高をおさえた駐車スペースの上のあるため普通の家の2階のレベルよりも低く、まちに近い感じがする。 そこから数段あがったワークスペースはラーチ合板の仕上げでリビングと関係付けられている。この、空間が立体的につながる場面に特徴的な素材が現れるというイメージは、Adolf LoosのVilla Müllerを手本にしている。 外観のデザインでは、シンプルな形におさめようとする一方で、必要なディテールを無理に消去しないようにしたり、段差やずれによりどこかユーモラスな図像を読み取れるようにするなどして、幾何学の整合性や完結性がほころぶ状態をつくろうとした。 あるいは、意図せざるシリアスさをまとわないようにした。 そのことで、虚構のような純白のかたまりでありながらも、リアルな風景と手を結ぶ両義的な存在感がつくれるのではないかと考えた。